脳梗塞の後遺症で左半身が不自由な父親の介護を
7年間している。呼吸補助器をつけているので
一日2回しかベッドを離れないという。彼女は
夜中でも5回も父の呼び出しベルで介護する。
母親は腰が悪く、介護を娘に頼らざるを得ないという。 どんな思いかと聞かれて
「親の介護の為に娘の人生を狂わせてしまったのではと
思うこともあって、心が痛みます」と言う。
今からでも遅くない、なら今すぐ父親を介護施設に入れ
自分は腰のリハビリをするなり娘を解放するべきだろう。
夜中に呼び出されてすぐに返事が無かったときに父が
苦しくて食器を投げつけた、という割れたお皿が
散らばっている。
「ちゃんと自分が対応していればこんな思いを
させずにすんだのかなって自責の念にかられる」と
淳子さんは言う。
板谷という年配の男性アナウンサーが
「きっと皿を投げた後のお父さんも苦しかっただろうね」
という。
この無責任なアナウンサーの言葉に驚愕する。
これは立派なドメスティックバイオレンスだ。
板谷アナウンサーは決してこういう言葉を言ってはいけない。
父親になにかあったら貴女に責任があるよ、と
暗に言っていることと同じだ。
それでなくても理不尽な環境で、お前に介護の
責任がありそれから逃れられないと洗脳されている。
誰もそれ疑問ももたずに、なすすべがなくてこの
状況と思っているのだろう。
DVの意識などないに
違いない。けれどこれは立派なDVだ。
娘は自分がこの24時間体制の介護を否応もなく
受け入れざるを得ないと思いこんでいる。父親は
今の状態は楽だろう、施設に入りたくないだろう、
けれどこうやって一人の人生を縛り付ける権利は
全くない。
淳子さんと母親は父を施設に入れるべきだ。そして
そうやっても全く貴女はいいんだよ、と誰か
言ってあげなくてはいけない。
自分にすべての
責任があると意識せずに洗脳されている、または
思いこんでいる彼女の意識をまず解放してあげるべきだ。
DVを助長している板谷氏は「親の介護は淳子さんが
して当然」という老人男性や社会の無責任を代弁
していて醜い。
父親だって立派にリハビリができる
状態じゃないか。まだ61才だ。何故娘をしばりつけ
状況を改善しようとしないのだろう。
この若さで残りの娘の人生をどうしようとするのだろう。
自分に何かあればお前のせいだ、という罪の意識を
娘に植え付けている。こうやって逃れられない状態に
し続けることこそがDV以外の何だろう。
母親だってすわったきりで
食べるだけの生活から抜け出そうとしない。
娘の意識、親の意識、を変えることが必要と思う。
親子でも個々の独立した人生がある、あるべき、と。