カメラを捨てて何故少女を助けなかったか、というごくまっとうな
非難に、私もまた次元のことなる出来事のように
切迫感を持たないでいた。
少女が危険な状態であったらこの写真は
なかっただろう、という漠然とした思いがあった。
ハゲワシの危険より、生涯の大半を
飢餓の状態で過ごしてきたであろう少女の
取り返せない時間を思った。
そしてフォトグラファーが死んだという報道に、
非難の声と、さらに(私も含めた)もの言わぬ多数の人たちに
立ち向かえなかったケビン・カーターの繊細さを思った。
「私 は祈りたいと思った。神様に話を聞いて欲しかった。
このような場所から私を連れ出し、
人生を変えてくれるようにと。」
という彼の告白は
なんとまともで、なんと強烈に響くことだろう。
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