Wednesday, February 04, 2009

報道写真考「ふたたび「少女とハゲワシ」

というか。私はこの少女とハゲワシの構図を美しいと思い、 そういう自分の捉え方に恐れおののいたのだ。

 カメラを捨てて何故少女を助けなかったか、というごくまっとうな 非難に、私もまた次元のことなる出来事のように 切迫感を持たないでいた。

少女が危険な状態であったらこの写真は なかっただろう、という漠然とした思いがあった。 

 ハゲワシの危険より、生涯の大半を 飢餓の状態で過ごしてきたであろう少女の 取り返せない時間を思った。

 そしてフォトグラファーが死んだという報道に、 非難の声と、さらに(私も含めた)もの言わぬ多数の人たちに 立ち向かえなかったケビン・カーターの繊細さを思った。

 「私 は祈りたいと思った。神様に話を聞いて欲しかった。 このような場所から私を連れ出し、 人生を変えてくれるようにと。」

という彼の告白は なんとまともで、なんと強烈に響くことだろう。

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