Wednesday, December 13, 2006

ハンス・コパーとルーシー・リー

ハンス・コパーとルーシー・リーに会いに。
某月某日

ロンドンから日帰りでアムステルダムのクリスティーズに行く。
ルーシー・リーとハンス・コパーを収集したオクトバーグコレクションが
オークションにかけられるためだ。

Easy jetという会社の安い航空券を買ったため市内から40分電車に乗り
Luton airportからの飛行機だ。朝7時にロンドンのFarringdon駅を出て
空港まで行きスキポールまで、さらにアムステルダム中央駅まで電車に乗り
そこからクリスティーズまでタクシーで。

アムステルダムのタクシーはトロリー電車や自転車、歩行者をまるで
ぬうように、というよりまるで追いかけんばかりに走っていく。
ロンドンから一緒に行った友人は、ロンドンの列車にくらべて
アムステルダムの列車が音も静かできれいでスピードがあって、と盛んに
褒めていたが、いざ路上の交通については首を振った。
何度も人や自転車を轢きそうになりそのたびに顔を見合わせた。

クリスティーズでこれはと思う作品をケースから出してもらい
窓辺で手にとってチェックする。他に日本からの女性が日本の茶陶のコレクション
を吟味している。手慣れた様子で、どこかギャラリーのバイヤーだろうか。

あまり現代陶器は慣れていないのか、ロンドンよりかなり安い見積もりだ。
コパーとリーを始め、イタリアのタイル、日本の茶陶などあらゆる種類の
陶磁器を所蔵したオクトバーグ氏とはどういった人物だったのだろうか、と
興味をそそられる。

美術館での展覧会に数多く出品してきたが、作家別やテーマ別でなく、
自分のコレクションのすべてを一同に展示したいとの希望が入れられないこと
も手放す一因と聞いた。

帰りの飛行機はオーバーブッキングのため、ボランティアで明日の便にまわって
もらえないか、と航空会社。ホテルの宿泊代と現金を渡すことで一人二人と
ボランティアが手を挙げる。しかしほとんどの人は私を含めて
明日の仕事のためか動かない。

航空会社の職員が何度もあと二人必要、あと一人、と戻ってくる。3時間も
経ってようやく最後の一人が
「いいよ、明日にまわるよ」と手を挙げると思わず残った人たちから
拍手がわいた。

ボランティアで明日の飛行機に乗ることに決めた人たちの荷物を、すでに
チェックインした大勢の荷物の中から取り出す必要があるために、
作業時間は延々と続く。
搭乗者のものと確認できない荷物があっては飛んではならないことに
なっているのだ。ようやく確認が済んでロンドンに向けて離陸したのは
夜中を過ぎていた。

ヨーロッパの国々は国というより、日帰りで都市間を移動する感覚だが、
時にこんな(安い航空運賃のためなので文句はいえない)余計な
時間を必要とする。

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