Wednesday, October 31, 2007
ハンス・コパー
日本語版「ハンス・コパー」表紙 日本語版「ハンス・コパー」裏表紙
Hans Coper. ハンス・コパー、いうまでもなくハンス・コパーはイギリスの
陶芸作家。20世紀の3大巨匠に数えられる。あとの二人はルーシー・リーと
バーナード・リーチだ。
ハンス・コパーとルーシー・リーは共にナチスを逃れイギリスに亡命している。
ハンス・コパーはドイツから、ルーシー・リーはオーストリアから。
ロンドンのアルビオンミューズに小さな工房を構えたルーシー・リーのもとへ
仕事を求めてやってきたハンス・コパーが訪れる。それ以来ハンス・コパー
が亡くなる1981年まで二人はお互いに強い影響を与え会いながらそれぞれの
作品を作り続けた。
二人のまれにみる親密で長いパートナーシップは人々の関心を引きつけてきたが
それはまた別に書こう。今紹介したいのはハンス・コパーについての本だ。
ハンス・コパーについては陶芸家でもあるトニー・バークスが唯一ともいえる
伝記作品集「ハンス・コパー」と「ルーシー・リー」を著している。その
表紙デザインは、フランクフルトブックフェアで最も美しいとして賞を
獲得しているという。確かにシンプルで淡いブルーがかったバックに作品を
置いた透明感のある表紙で非常に美しい。
最新の英語版と同時に出版された日本語版「ハンス・コパー」は同じ
表紙で同じデザインだ。
ところが最近出版されたフランス語版を見てショックを受けた。オレンジの
フォントでタイトルを、また裏表紙もオレンジを使った大胆なデザインだ。
表紙はハンス・コパーの妻ジェイン・コパーの撮った、作品の写真をカット
している。
日本語版・英語版がシンプルで静寂を思わせる美しさの一方、フランス語版は
「動」と優れたデザイン力を感じさせる。しかも内容やハンス・コパーの
作品をきちんと理解したうえでデザイン構成がなされているとわかる。
ふーん、これがフランスなんだ、と感じた。日本語版・英語版の
「ハンス・コパー」は美しい。静かで凜としている。一方フランス語版は動だ。
大胆なデザインで見る人を惹きつける。
どちらもすばらしい。でもフランス語版はそのデザインによって完全に
「フランス語版」になっているという意味で一歩先をいっている気がする。
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