ハスキーなというよりしゃがれているという表現の
ほうがあたっているような太い女性の声。
かなり以前テレビではやったドラマの主題曲という。
なんとかユンシュクという韓国の歌手、と友人に教わり紀伊国屋の2階にある
レコードショップへいく。
なんとかユンシュクという、、、と聞いたらすぐにその歌手のコーナーに
案内してくれる。
なんだ、聞けばすぐわかるくらい有名な歌手だったんだ。
「堀内孝雄ベスト・ソング集」デュエット:桂銀淑。
そう、この声だ。
演歌は歌詞が陳腐のうなり節。と思いこんでいた(はて、これは演歌では
ないのだったか?)。まあ分類はどうでもいい。でも陳腐と思いこんでいた
そんな種類の歌でこんな声に出会えた。
しかも歌詞までなかなかいい。
「瞳を閉じれば
幼い昔へ 誰でも帰れる
せめて愛する人が 隣にいたら
夢の中まで 連れていけるはず、、、」
思わず引き込まれる声との出会いはほとんど瞬間的だ。
堀内孝雄の
「この都会に 眠りの天使たちが」
に続いて
「遊びに疲れて」と彼女の声が聞こえるとき思わず全神経を研ぎ澄ましてしまう。
やはり心を震わせる声というのは受け手の生理的なものだろう。
顔かたちや性格、しぐさ、笑い方、話し方、その人の持つ空気。
これらはたったひとつを取り上げてその人の全体を判断することはない。
けれど、声は瞬時に身体が拒絶したり受け入れたりする。
桂銀淑の声は心をとらえて離さない。もっと聞きたい、といつも思う。
さびれた声。しゃがれた声。低く太い声。
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