ニューヨークの犬たち(グールドとは関係ない)
グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独を見た。
ピアノ演奏のなかにグールドのうなり声が多々入っているのが
あるがその謎が解けた。唄まで歌いながら弾いている映像が
出て来たからだ。
彼は天才であるけれど(それ故に)変人である、という
取り上げ方をされてきたが、それが全くの間違いである事が
これでわかる。
人を愛し愛される、時にユーモアがあり、辛辣で、普通の、純粋な、
一人の人間だと。でも天才という事には異論がないだろう。
グールドのゴールドベルク変奏曲を聞いたときの衝撃は
とてつもなく大きかった。そのスピード、解釈の仕方、、、。
コンサートをしなくなってからのテープで聞く彼のピアノは、
実際の録音でなく編集されているのでは、と話題になったことがある。
でもそれはもちろん録音で操作されたものではなくまぎれもなく
彼自身のピアノだった。
途中一カ所気になって残りの映像が十分に楽しめなくなって
しまったことがある。彼がコンサートを止めた後、
いろいろな活動をして、フィルムのプロデュースも手がけたと
英語のナレーションが語っている時
(He was ......while he was learning...だったと思うが)
日本語の字幕が、「、、、彼は走りながら
(それを)行っていたのだ」となっていたことだ。
信じられないが、leaning を running と
訳していた。
意味が全く違ってしまうので最後までそれが気になってしまった。
グールドは走りながら物事をする人ではないのに、、、と。
「学びながら(フィルムのプロデュースを)行っていた」のがスクリプトの
正しい意味だ。
普通はそんなことは気がつかないどうでも良いことかも
しれない。でも気になってしまう。
今度「グレン・グールド 27才の記憶」というビデオを
見てみよう。すばらしい天才の演奏に集中して楽しみたい。