私はルーシー・リーが好きでそこから必然的にコパーを知った。
何だろう何だろうこの形は、と調べる内にどんどん
好きになった。心を射るというか見つめずにはいられない形。
ルーシー・リーは静寂の美という展覧会が生誕100年にあった。
トロントのがーディナー美術館でも100年展があった。
もちろん1989年三宅一生氏のルーシー・リー展がある。
三宅氏は今年も21_21でルーシー・リーとジェニファー・リー
のうつわ展を開催した。来年は国立新美術館でルーシー・リー展
が開かれる。
まるで大きな波のように次々と開かれる
ルーシー・リー展。それだけ人気が大きいのだろう。
それにしても同展は「没後初の本格的回顧展」とうたっている。
過去の展覧会を無視しているのは意図的?かしら。
まあ、美術館同士の面目みたいなものがあるのかもしれない。
ブームのようにとりあげられるルーシー・リーに対して
ハンス・コパーはまだまだ日本では知られていない。
けれど陶芸界はいうに及ばずもっと広い美術界に大きなショックを
与えるのはハンス・コパーだろうと思う。
その作品の独創性
ピュアな形状。ストイックな生き方。他に類を知らないほど
特異な作家と思う。一番好きなのはキクラデスと呼ばれる
緊張感溢れる作品。あくまで静謐にそこに在る。
ニューヨークの知人とコパー作品の魅力を語り出したら二人とも
とまらなくなった。
彼を表して最も適切な言葉、と
一致したのは purity という言葉だった。生き方も作品も。
今の多くの作家達のこれ見よがしな作品はコパーの作品の
前では色あせて見えてしまう。
こういったら身も蓋もないかも
しれない。でも出ては消える作品の山の中で、やはり
コパーは確実に深さが違うと思う。好き嫌いのレベルを超えて。
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