Friday, July 24, 2009

ハンス・コパーとの出会い

ハンス・コパーに出会ったのはルーシー・リーを通してだ。
といってもハンス・コパーにもルーシー・リーにも
もちろん会ったことはない。

ルーシー・リーの花生けに魅せられて、そしてハンス・コパーを
知った。コパーの削がれたかたち。複雑な工程を経て
生まれるシンプルなかたち。コパーの黒。それを両手に
かかえる機会があった。

見れば見るほど飽きない黒。深く表情豊かな、
大胆で繊細なかたち。

台の上に乗ったカップのかたち。中には花の枝を支える
もう一つの器が作られている。あの有名なキクラデスフォーム
は花を受け入れそうもないが、この黒いカップ形には、
花を生けたらどんなに美しい空間が
生まれるだろうと思わせるものがある。

今になっては知るすべもないが、ハンス・コパーという人が
何を考え何を最も大事にして創り続けたのだろうと
考えずにいられない。

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