ハンス・コパーに出会ったのはルーシー・リーを通してだ。
といってもハンス・コパーにもルーシー・リーにも
もちろん会ったことはない。
ルーシー・リーの花生けに魅せられて、そしてハンス・コパーを
知った。コパーの削がれたかたち。複雑な工程を経て
生まれるシンプルなかたち。コパーの黒。それを両手に
かかえる機会があった。
見れば見るほど飽きない黒。深く表情豊かな、
大胆で繊細なかたち。
台の上に乗ったカップのかたち。中には花の枝を支える
もう一つの器が作られている。あの有名なキクラデスフォーム
は花を受け入れそうもないが、この黒いカップ形には、
花を生けたらどんなに美しい空間が
生まれるだろうと思わせるものがある。
今になっては知るすべもないが、ハンス・コパーという人が
何を考え何を最も大事にして創り続けたのだろうと
考えずにいられない。
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment