ハンス・コパーのうつわたちの佇まいに胸を突かれる。
この形。カップ形の器を手に取ったことがあるが、
これほど沢山の形、本物の形。どれもいつまで見ていても
まだ見ていたい。
イギリスの小学校の壁に設置されていたという円盤状の
ダイナミックな装飾。色はほとんどモノトーンなのに
深く深く語りかける言葉をもっている。
もちろん、ルーシー・リーの作品もある。
ハンス・コパーもルーシー・リーも、その作品は
お互いを抜きにしては語れないだろう。
最後の部屋はハンス・コパーとルーシー・リーの
作品が並んでいる。コパーの茶と白の作品の中にあって
ルーシー・リーの作品は心躍らせるような華麗な色
をしている。まさに世紀末のウィーンの空気を吸って
生きて創った作家の息づかいだ。
秋の深まりの中でぜいたくな豊かな時間をもてた、と
心から思う一日。