Sunday, October 17, 2010

オールウェイズ・ラブ・ユー

朝日新聞の土曜「be on Saturday」という紙面に「うたの旅人」 というページがある。いつも興味深く楽しみに読んでいる。 

 10月9には映画「ボディガード」の主題歌 「オールウェイズ・ラブ・ユー」が取り上げられていた。 けれど訳の歌詞が間違っている。

 If I should stay I would only be in your way So I'll go But I know I'll think of you every step of the way And I will always love you Will always love you I hope life treats you kind And I hpoe you have all you ever dreamed of And I wish you joy and happiness But above all this I wish you love 

 去っていく女性の感情を表した甘い歌詞の対訳が 「もしいなくてはならないのなら あなたのやり方に従うまでよ 私は行くわ、、、」 となっている(江戸賀あい子氏訳)

 原文最初のパラグラフは正しくは 「もしも留まるとしたら あなたのじゃまになるだけ。 だから私は行くわ」 である。

これは中学の文法だ。わざとかと 思い、読み直すがこれは意訳ではなく全くの 間違いだ。なぜこんな初歩的な間違いが 新聞に載っているのか記者の(というよりデスクの) いいかげんさにただ驚いてしまう。

もちろん訳者の 力量は疑問だ。 興味深いテーマなので楽しみに読んでいるが これほどでたらめで基礎的な間違いはそうあるものではない。 そういう意味でおもしろく読んだが、それにしても ひとつの言葉のニュアンスで、甘く感傷的な歌詞が はすっぱな女性のイメージに変わってしまうことに 驚く。 

 しかもこの誤訳は日本語としてもまったく意味が通らない。 「あなたのやり方に従う」なのに「私は行くわ」 理屈が破綻している。 言葉は道具でしかないが、人と人をつなぐ、 または隔てる威力ある武器だと思う。