Monday, May 11, 2009

MAY'Sの片桐舞子とアルビノーニのアダージョ

朝日新聞にMAY'Sの曲について 「悲しい曲ならいざ知らず、曲は明るいのに幸福感で 聞き手が涙してしまうのが2人の音楽の不思議さだ」 と書かれていて言い得て妙と改めて感じた。 

 例えば May's / 梢 歌詞を聴いているとなんと幸せできれいな詩かと思う。 同時にふいに涙が溢れる。これは涙腺に何か 不思議なちからが加わるのだとしか思えない。  

もしもいつか過去に戻れるのなら   君が生まれたその日を選びたい  
ずっと先の未来で待ってるから   小さな君に誓うよ 僕が運命だと  

もしもいつか未来に行けるのなら   君が消えてくその日を選びたい  
千年先も変わらず愛してるから   何度でも伝えたいよ 僕が運命だと 

 パワフルなハスキーな声と言葉をきちんと伝える力を 持っているからだろうか。メロディーだけでは起こりえない 作用をもたらす。声と詩のコラボレーションだ。 

 対極に音楽(メロディー)のみで人の心をふいに 感涙にむせぶ(開高健だったか?アラスカを車で 移動しているとき、ラジオから聞こえてきたこの 曲に思わず感涙した、とあった)作用をする曲がある。 アルビノーニのアダージョ 

 この静謐な、心にしみいる曲は、人の記憶また個人の記憶に 深く入り込んで心を揺さぶる。

ルーシー・リーの器を見ている ような。